平屋の注文住宅はいくらで建つ？相場と予算の抑え方

平屋の注文住宅を建てたいけれど、費用がどれくらいかかるのか気になる方は多いでしょう。この記事では、平屋の建築費用の相場を間取り別に解説します。また、なぜ平屋は2階建てより高くなるのか、その理由と建築費を抑える具体的な方法も伝えます。平屋の購入を検討されている方は、ぜひ最後までご一読ください。

平屋住宅の建築費用

平屋を建てる際の建築費用について、坪単価や間取り別の相場を解説します。土地代を除いた建物本体の価格目安を確認しましょう。

坪単価の目安は40万円から

木造平屋の坪単価は一般的に40万から70万円程度です。同じ床面積でも2階建てと比べて基礎と屋根の面積が広くなるため、坪単価は高くなる傾向があります。こだわりの構造や設備、建材を採用する場合は50万から80万円以上になることもあります。

住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査によると、注文住宅融資利用者の全国平均では住宅面積が35.7坪で建設費は3,932万円となっており、坪単価は約110万円です。平屋はワンフロアで基礎部分が大きくなるため、この平均よりやや割高になるケースが多いといえます。

間取り別の費用相場

平屋の建築費用は間取りによって大きく異なります。1LDKのコンパクトな平屋なら1,000万円台から建築が可能です。2LDKで1,500万から2,000万円、3LDKで2,000万から3,000万円が相場となります。

子どものいる家庭や将来のことを見据えて広めに建てたい場合は3LDKから4LDKが一般的で、3,000万円以上かかるケースもあります。4LDKになると広さは30坪から40坪以上が目安となり、価格帯は建築エリアや仕様によりますが3,500万から4,500万円前後が一般的です。家族構成やライフスタイルに合わせて必要な広さを検討することが大切です。

2階建てとの価格差

同じ延床面積の場合、平屋は2階建てより1割から2割程度高くなります。基礎と屋根が広い分、工事費用が増えるためです。たとえば床面積30坪の平屋と15坪×2の2階建てを比較すると、平屋は基礎と屋根の面積が2倍必要となり、この2カ所は特に工事費用がかかる部分なので建築費も膨らみます。

一方で壁の面積はそれほど変わらず、建物の高さは半分なので構造に関わる部分は割安になり、トータルで1割から2割増しの金額になるのです。ただし階段スペースが不要なため、実際に使える面積は平屋の方が広くなるというメリットもあります。

平屋が高くなる理由

なぜ平屋の建築費用は高めになるのでしょうか。費用が増える要因と、それに伴うメリットを理解しましょう。

基礎工事の面積が広い

ワンフロアで生活空間を確保するため、基礎工事の面積が2階建ての約2倍必要です。基礎工事は住宅建築で特にコストがかかる部分のため、費用が増えます。

平屋を建てる場合、1階フロアのみに必要な部屋を全てレイアウトする必要があり、同じ延べ床面積の2階建てと比較すると単純に2倍程の広い敷地が必要になります。基礎部分が大きくなる分、材料費も施工費も増加するのです。

屋根の施工範囲が大きい

屋根も基礎と同様に広い面積が必要です。すべてがワンフロアで基礎部分が大きくなる平屋の方が、屋根の面積も広くなります。屋根の形状や素材によっても費用は変わりますが、施工範囲が広い分、材料費と工事費が増加します。

広い土地が必要になる

同じ床面積の家を建てる場合、平屋は2階建てより広い敷地が必要です。そのため土地代も高くなります。広い平屋を建てるためには広い土地が必要となるため、土地代も高額になってしまいます。

敷地面積が広くなれば、毎年課税される土地の固定資産税も上がります。特に都市部や利便性の高い駅近エリアを選ぶ場合は注意が必要です。また平屋は基礎や部屋の面積も大きくなるので、建物の固定資産税評価額も高くなる可能性があります。

建築費を抑える方法

コストを抑えながら理想の平屋を建てるための具体的な方法を紹介します。賢い選択で予算内に収めましょう。

シンプルな形状にする

長方形や正方形など凹凸の少ない形状にすると、材料費と施工費を抑えられます。建物は凹凸が多く複雑な形状をしているほど設計コストが増し、必要な建材や現場での作業も増えるため最終的なコストが高くなります。コストを抑えるには箱のように四角形に近いシンプルな形状で、直線的なデザインにするとよいでしょう。

間取りの無駄を削る

廊下を短くする、必要な部屋数に絞るなど、間取りをシンプルにしましょう。延床面積を抑えることで建築費を削減できます。建物の形状と同様に間取りもシンプルにしたほうが費用を抑えられるため、壁を減らしたりできるだけ廊下を短くしたりと無駄を削ることが重要です。

間取りをシンプルにすることで動線もコンパクトになるため、実際の床面積以上に空間が広く感じられる可能性もあります。収納は適切な場所に適切な量を配置することが大切で、いくらあってもよいと思われがちですが実際は使い勝手が悪い場所に作っても結局有効活用できないことも多々あります。

平屋に強い会社を選ぶ

平屋を得意とする工務店やハウスメーカーは、コストを抑えるノウハウを持っています。複数社から見積もりを取って比較検討しましょう。ローコストを売りにしている工務店やハウスメーカーは、コストを抑えるためにさまざまな企業努力をしています。

建物強度に影響のない部材の厚さを抑えたり、まるで無垢材のように見えるプリント合板を使ったり、設計の段階で基礎をシンプルにしていることもあります。住宅設備を大量発注してコストを下げる努力をしているハウスメーカーもあるため、平屋を得意としている工務店やハウスメーカーに依頼するのもおすすめです。そのようなメーカーは、間取りや収納スペースの配置方法など平屋での暮らしやすさにつながる独自のアイデアを持っていたりします。

まとめ

平屋の建築費用は土地代を除いて2,000万円前後が相場で、坪単価は40万から60万円程度です。コンパクトな平屋なら1,000万円台から建築が可能なケースもあります。平屋は2階建てと比べて基礎と屋根の面積が広くなるため、同じ延床面積でも1割から2割程度費用が高くなる傾向があります。しかし建築費を抑える方法として、シンプルな形状にする、間取りの無駄を削る、設備の優先順位を決める、平屋に強い会社を選ぶといったポイントを押さえることで予算内に収めることが可能です。